「社会福祉法人
ロザリオの聖母会」について

「社会福祉法人ロザリオの聖母会」理事長あいさつ
(2025年年頭所感)

社会福祉法人ロザリオの聖母会
理事長 石毛敦

 

新年明けましておめでとうございます。年頭のご挨拶を申し上げます。

職員の皆さんの日頃のご努力に、そして長い期間に亘り私どもの事業を支えて下さってきた多くの支援者の方々に深く感謝申し上げます。

 

2020年2月に始まった3年間以上にも亘る新型コロナ禍も、2023年5月からの5類引き下げにより、感染対策が公式に緩和されました。それ以降、本会でも、職員バレーボール大会、職員夏祭りの開催、先月に行われたロザリオフェスティバル、施設・事業所間の交流、利用者さんの様々な行事の拡充など、少しづつコロナ前の日常を取り戻しつつあります。

 

特にコロナ感染対策が厳重であった最初の3年間は、先の見えない不安だったり、施設・事業所間の交流・交わりが制限され、色々な行事が中止され閉塞感が強まったり、施設内でクラスターが発生したり、プライベートでも飲食会の制限など感染防御のため様々な制約が生じたり、本当に過重なストレスが襲い掛かる大変な時だったと思います。それを乗り越えて、患者さん・利用者さんに変わらぬサービス提供が続けられたこと、このようにコロナ前の通常のロザリオの聖母会に戻りつつあること、感謝してもし尽くせないほど感謝しております。

 

昨年度もコロナなど感染症の周期的流行、戦争や紛争、経済の低迷、巨大地震や水害などの自然災害、日本を世界を見渡せばネガティブなニュースに溢れていました。

年頭に当たりメディア、政治、経済、国際情勢などについて私見を述べさせて頂きます。

 

まずはメディアについて。昨年11月5日の米大統領選では、共和党のトランプ次期大統領がフェイクニュースと呼んで敵視するテレビ新聞などオールドメディア側によるカマラ民主党への偏った支持や応援報道が行き過ぎていたため、逆に民衆党に不利に働き、選挙戦に負け、その一方、ポッドキャストやSNSの存在感が増し、相対的にオールドメディアの影響力低下が顕著になったのではないでしょうか。トランプ陣営のパトロンの一人はX(旧ツイッター)オーナーのイーロン・マスク氏でした。日本でもSNSを駆使した斎藤元彦氏が昨年の兵庫県知事選を制しており、一方的な偏向報道を繰り返す報道機関の役割が問われていると思います。

 

全てのメディアが問題なのではなく、オールドメディアによるプロパガンダ(世論誘導)を含めた一方向性の報道や「国民にとって大切な情報」に対する報道しない権利の行使が問題と思います。

国民の知る権利に応えるべく、一切の予断、偏見や特定の信条、利益に依らずに報道することが本来のジャーナリズムであり、それが正当に機能するには、ジャーナリストが、株主などの資本、広告主などの利害関係者、政府や業界団体などの権力、さらには取材対象からの圧力等より独立していることが最低限必要だと考えますが、日本のオールドメディアが、ことごとく、株主利益最優先の上場メディア持ち株会社の支配下にあり、これら持ち株会社は全て30%超株式が外国資本所有であることを考えると偏りに偏った今の状況も肯けます。

 

玉石混交なSNSに規制をと言う意見もありますが、商売敵のオールドメディアがライバルを貶めようとしている構図が透けて見えますし、政府は自分たちの都合の良いように世論誘導をしたいでしょうし、それ以上に何よりも言論の自由は非常に重要です。人々が自分の意見を自由に言えなければ、民主主義は成り立たないからです。民主主義の基礎は言論の自由です

 

次に政治について、ケネディ大統領は「父は、私がまだ小さかった頃、政府権力は嘘をつく、民主主義の責務は疑問を持つことだ、と教えてくれた。子供の時から、科学を根拠にしてきた。証拠を見せれば信じるが、公式見解は鵜呑みにしない。研究をするというのは、権威のある人物に意見を聞くことではない。専門家を信用することは科学的でも、民主主義的でもない。宗教的であり、全体主義的である」と語っています。

 

石破首相は昨年に出した著書で、「アベノミクスとは一体何だったのか、その功罪についてきちんと評価すべき時期が来たのではないか」「アベノミクスは、禁じ手でもあった異次元の金融緩和を延々と10年続けてしまったことで、国家財政と日銀財務が悪化した。 行き過ぎた金融緩和の弊害は、急速な円安というかたちでも表面化した。物価高を助長し、個人消費に打撃を与えた」と述べています。これは正鵠を射ており、まさにその通りと思います。財政破綻の危機を異次元緩和と言う名の金融政策で先送りしてきました。自分が行政の最高責任者の時には破綻は起こしたくないと危機を先送りしてしまうのかも知れません。石破首相がそうならないことを期待致します。

 

こども家庭庁の年間予算が約5.3兆円(国防予算は7,9兆円)です。こども家庭庁を解体して今年の子どもたちに配ると1人600万円。来年以降も毎年新生児に600万円配り続けられます。これだけあれば、保育園から大学まで無料にして、学校給食を只にしてもお釣りが出ます。これでどれだけ多くの国民が救われるでしょう。景気も良くなります。少子化も改善されます。少子化対策とはなんでしょうか?結局こども家庭庁は新しい省益、利権、利益誘導、中抜きのために作られたのではないかと考えたくなる誘惑に駆られます。

 

日本は第一次安倍政権から岸田政権の間で200兆円を超える国税を外国の支援に使っています。学生の奨学金ローンの残高は10兆円。外国の支援の20分の1でも文教予算に充てれば無償にできます。一体これでどれだけ多くの国民が救われるでしょう。自国民の生活が苦しい時に、自国民を犠牲にして海外援助とは、政治家のキックバックを疑いたくなりますが、それでも政府は「財政が厳しいから増税します。社会保険料を引き上げます」と言って、とうとう国民負担率が50%を超えたわけです。

 

派遣法の改悪によって非正規労働者はこの15年間で400兆円もの賃金を搾取されています。本来、働く人の給与になるはずのお金が派遣会社や派遣先の会社に抜かれていますので、長い間、所得が上がらないのも当然です。

 

三つめは経済について、政府は最低賃金の引き上げなど所得向上を民間に要請していますが、賃金は、GDPが拡大することによって結果的に上がるものであり、政府が主導するものではないと考えます。原因と結果が逆で、全体のパイ(GDP)が大きくならないのに、誰かの給料を上げれば誰かの収入が下がらなければ計算が合わなくなります。ですから、世界有数の低い成長率である日本では、経済成長しない限り賃上げはかなり難しいと思います。

 

これからは、「個人が自由に自己実現出来る社会」「自己実現するためには、ある程度の経済的基盤は必要だから、必要最低限のセーフティネット(私たち福祉もその一つです)は政府が差し出す」を政策目標とする小さな政府、自由主義、資本主義に変換することが最も大事ではないでしょうか。政府(他人)に自分の人生や経済生活や自己決定を管理されるべきではないというのが自由主義、その対極として政府権力が隅から隅まで国民の面倒を見る管理するのが共産主義や社会主義です。

我が国は、為替市場への介入、日銀が日本最大の株主、国債の半分は日銀が保有、そして買い支えは我々の年金資金など、市場を政府がコントロールする計画経済ですし、官製主導、中央集権、多すぎる規制等々。日本はソ連崩壊の原因となった計画経済を未だに続けており、衰退が止まっていないのではないでしょうか。今の日本は中国よりも社会主義化が進み、計画経済も失敗していると思います。

 

これから人口減少で政府歳入も減少します。これまで同様の行政サービスを維持し、大きい政府を選択するなら消費税、所得税や社会保険料の更なる引き上げによる重税、政府の無駄遣いをなくし規制を緩和し低い税金で民間の活力を重視したいのなら小さい政府となります。

トランプ新政権は衰退するアメリカ改革のためにイーロン・マスク氏を新設する政府効率化省のトップに据えて、2兆ドルの財政削減を目指しています。

政府の最も重要な仕事は国民の生命と財産の保護です。それと同等に重要な位置まで格差の是正が入ってくる国は社会主義国家か共産主義国家、これではソ連のように衰退してしまいます。これが日本が40年間、群を抜いて低い成長しか出来なかった主因の一つであり、歴史を見ても社会主義は資本主義に負けるのが必至です。悪しき平等主義、機会の平等ではなく過度な結果の平等はやる気を失わせますし、働こうという意欲を失わせます。何よりも若者にとって最も重要な夢も失わせます。

資本主義も多くの欠点を抱えています。「確かに資本主義は最低のシステムである。しかし人類はそれ以上のシステムいまだ発明していない」、という有名な言葉もあります。

 

四つ目は、国際情勢について、

ウクライナ侵攻により、アメリカ・西ヨーロッパを中心とするG7とロシア・中国を中心とするBRICSとの新しい世界の主導権・支配権をめぐる覇権争いが目に見える形で勃発しました。イスラエル紛争も代理戦争の様相を呈しています。

EU外相ボレル氏は「西側の支配は終わった。米国はすでに覇権国ではない」と言いましたが、多極化の時代が始まり、その新時代をリードするのがBRICSかも知れません。BRICSに正式に加盟申請している国の数は40カ国、BRICSの主要五カ国のGDPはもうすでにG7のGDPを超えてます。ロシアのサンクトペテルブルク国際経済フォーラムに世界139カ国が参加しましたし、サウジアラビアが基軸通貨であったドル以外の通貨での原油取引を認めたように、決済通貨、外貨準備通貨であったドルもかつての威光はありません。

振り返れば、AD1500年にはじまる大航海時代から過去500年間で世界の支配権はヨーロッパ諸国が握り、スペイン、オランダ、イギリス、アメリカと移り変わってきました。アメリカの衰退や没落が始まっているのかも知れません。アメリカ日本などの海洋国家から、ロシア中国のような大陸国家に覇権が移っているのかも知れません。

 

最期に良いニュースです。昨年度4月の報酬トリプル改定により、当会の中間補正予算も収支差額7200万増と大幅な上方修正となりました。コロナ禍の4年間は減収に非常に苦しみましたので、改定に短期間で機動的に対応し、報酬増と支出減を達成した施設・事業所の職員の皆さんに感謝申し上げます。

 

時代、環境、状況の移ろいにより、必要とされるサービスの性質や量も変化していきます。少子高齢化、長期トレンドの人口及び労働力の減少社会、に対応するため当会では、訪問看護事業所ソフィアの海上寮への統合、デーサービスセンターソフィアの聖マリア園への統合を決断するに至りました。

 

進化論、自然淘汰、適者生存、を唱えたチャールズ・ダーウィンがこのような言葉を残しています。

「強いものが生き残るのではない。変化するものが生き残るのである。」

ティラノサウルスなど恐竜は地上で最も強く生態系・食物連鎖の頂点にありましたが、寒冷化など地球の環境変化に適応できずに、あっけなく滅亡してしまいました。

稀にみる変化の非常に激しい時代です。「部分に気を取られて全体を見失う、短期利益を重視して長期利益を逸する、手段にとらわれて目的を忘れる」といったことが無いよう、常に疑問を抱き、問題を提起し、仮説を立て、資料や情報収集し、検証する習慣を大事にしていきたいと考えております。

激しく変化、変動する時代や環境に対応して、ロザリオの聖母会も、変えるべきところは大きく変えて、「光の当たりにくい人々と共に」と言う法人理念を堅持して、守るべきものは必ず守るという方針で臨みたいと考えております。

 

本年も宜しくお願い申し上げます。

法人概要

法人名

社会福祉法人ロザリオの聖母会

所在地

TEL0479-60-0600 FAX0479-60-0660

経営理念

「光のあたりにくい人々とともに歩む」

施設・事業所

事業内容

医療保護施設の海上寮療養所を中核にして、知的障害者・身体障害者・重症心身障害児(者)等の総合的複合施設であり、治療・療育・生活支援・機能訓練・職業訓練・ショートスティ・相談事業・在宅福祉サービスなども実施しています。

代表者名

理事長 石毛 敦

創設

1952年(昭和27年)5月29日

利用者数

4,310名[施設系393名、通所系401名、在宅・訪問系3,516名](2024年3月31日:現在)

従業員数

573名[常勤353名、パート220名](2024年3月31日:現在)

定款

「社会福祉法人ロザリオの聖母会」組織図・役員

組織図

(2024年12月1日:現在)

評議員

役職氏名経歴
評議員 木村明夫 歯科医師
評議員 久米倫男 元会社役員
評議員 越川一幸 元公務員
評議員 佐野善房 弁護士
評議員 夛田哲雄 元旭市教育長
評議員 湯川健三 元会社役員
評議員 米本弥榮子 元旭市教育長

(2024年6月13日:現在)

理事・監事

役職氏名経歴
理事長 石毛敦 前専務
理事 白井正和 元施設長
理事 向後文司 元銀行役員
理事 加瀬光一 元海上寮療養所院長
理事 廣野正通 社会保険労務士
理事 望月利將 元公務員
監事 加瀬博 元銀行支店長
監事 塙政美 元旭市社会福祉協議会会長

(2024年11月21日:現在)

役員等報酬規程

職場環境等への取り組みについて